勉強会ログ第1クール第5回
平成20年4月23日
講演者:田中
講演題目:『Molecular
Biology of the Gene』第21章
場所: 工学系総合研究棟2階第1会議室
参加者:豊田含めて9名
・ 第21章:(田中さん作成のレジュメ抜粋)
・ 1.タンパク質
1. タンパク質の精製→大きさ・電荷・形・機能による分離
2. カラムクロマトグラフィー;
1. イオン交換クロマトグラフィー:正電荷あるいは負電荷をもつ微粒子をつめたカラム→溶離液が重要
2. ゲルろ過クロマトグラフィー;荷電のない孔のあるゲル微粒子をつめたカラム→溶出時間が重要
3. アフィニティークロマトグラフィー;タンパク質のもつ特定の性質がわかっているとき
1. 免疫アフィニティークロマトグラフィー:目的のタンパク質に特異的な抗体をカラムにつめる微粒子に結合させる。ゆるやかな界面活性剤などで溶出が重要。
3. ポリアクリルアミドゲルを使った分離
1. タンパク質は2次、3次、4次構造をもつ→強イオン性界面活性剤SDSとメルカプトエタノールで処理すると、2次構造くらいまで構造がほどける
2. (質問)完全にほどけてしまわないのか?→図ではほどけたように描いてあるが、2次構造は部分部分で残る。
3. SDS存在下で電気泳動すると、個々のペプチド鎖の長さによって分離
4. ウエスタンブロッティング;電気泳動したタンパク質を正に帯電した膜に写し取る。その膜と抗体溶液と反応させる。最後に、抗体の箇所を色で判別する
5. (質問)どうやって色を出すのか?→抗体にはあらかじめ酵素を結合しておく。その酵素が指示薬の分解反応を触媒して、その抗体がある個所だけ色をだす。
4. タンパク質のアミノ酸配列の決定
1. エドマン分解:ポリペプチド鎖のN末端から順番にアミノ酸を切り離してゆく
2. タンデム質量分析法:タンパク質を短いペプチドとして個々を質量分析し、さらにここのペプチドをガスなどと衝突させて、断片化したものを質量分析する。
3. (質問)MS/MS/MSとったタンデムも実在するのか→する。
・ 2.プロテオミクス
1. ある条件下で細胞や組織でつくられる全タンパク質の同定。相対量、相互作用するタンパク質を同定。
2. 液体クロマトグラフィー−質量分析(LC/MS)
1. タンパク質の修飾状態も質量分析でわかる
3. 酵母―ツーハイブリッド法
1. 酵母のもつ特殊なタンパク質(GAL4)の特性を生かした方法。GAL4は、DNAと結合する部分と、DNAと結合した途端にDNA転写を活性化する部分とに分かれる。これをそれぞれ既知のタンパク質と、相互作用が未知のタンパク質とに標識し、さらに転写の下流に特殊な培地で生き延びられるタンパク質の生産ができるようにする。
2. すると、既知のタンパク質と未知のタンパク質とが結合したときのみ、GAL4がはたらいて、培地で酵母が生き延びられる。
4. 核酸―タンパク質相互作用
1. DNAの電気泳動度はタンパク質が結合すると変化する。→ゲルシフトアッセイ、もしくはDNAふっとプリンティング(DNAとタンパク質が結合している状態で制限酵素を作用させて、断片のパターンで結合部位の塩基配列を決定)