勉強会ログ第1クール第6回
平成20年4月30日
講演者:冨永
講演題目:『Molecular
Biology of the Gene』第6章
場所: 工学系総合研究棟2階第1会議室
参加者:豊田含めて9名
・ 第6章:(冨永君のレジュメ抜粋)
・ 1.DNAの構造
1. DNAの基本単位→ヌクレオチド:2’-デオキシリボース+リン酸+塩基
2. 塩基―糖;グリコシド結合、ヌクレオチドどうし;ホスホジエステル結合
3. 塩基;プリン、ピリミジンの二種類
1. アデニン―チミン、グアニン―シトシンの間で、水素結合で対を形成している=ワトソン・クリック塩基対
2. アミノ―イミノ、ケト―エノールの互変異性体→DNA合成の誤りの原因
4. 二重らせんの安定性;水素結合、疎水相互作用、塩基対のスタッキング
5. 二重らせんのいろいろな構造
1. A型:右巻き。高湿度で観測、11塩基対で一回転。
2. B型:右巻き。生理条件下でのDNA構造。低湿度で観測。10塩基対で一回転。
3. (質問)なぜ湿度の差で異なるのか?→疎水相互作用が主に効いてくるのだろう。塩があれば塩析のような効果が働くだろう。
4. Z型:左巻き。プリン―ピリミジンのジヌクレオチドが基本的繰り返し単位。
・ 2.DNAの変性とハイブリダイゼーション
1. DNAは温度変化やpH変化で変性(二本鎖→一本鎖)する
2. この反応は可逆である。ハイブリダイゼーション。
3. DNAが一本鎖へと変性(融解)する温度をTmと呼ぶ。一本鎖と二本鎖との比が1:1となったときの温度。
4. Tmを決めるもの:DNAのGC含有量、イオン強度。
・ 3.DNAの位相幾何学:特に環状DNAについて
1. 共有結合で閉じた環状DNAについて、
1. リンキング数:二本鎖を分離するために、一方の鎖が相手の鎖を通りぬかねばならない回数。
2. 超らせん密度:リンキング数の規格化。
3. ヌクレオソームの構造:右巻きのDNAを左巻きに巻きつく→負の超らせん
2. 位相幾何学的制約を解消する→糖―リン酸結合を切断する:トポイソメラーゼ
1. II型;二段刻み・・・ATP必要
2. I型;一段刻み・・・ATP不要
3. 機構:切断+切れ目拡大(チロシン―DNA中間体)→鎖の通過→再結合→遊離。
4. DNAトポイソマー:長さは同じで、リンキング数が異なるcccDNA:電気泳動で分離可能。
5. エチジウムイオン:染色剤としてDNAの塩基対間に入る→リンキング数は不変だがよじれが増える→電気泳動に差が出る