勉強会ログ第1クール第8回
平成20年5月21日
講演者:久保
講演題目:『Molecular
Biology of the Gene』第7章
場所: 工学系総合研究棟5階第1会議室
参加者:豊田含めて5名
・ 第7章:(久保君のレジュメから抜粋)
・ 2.ヌクレオソーム
・ ヒストン:DNAを1回転だけ巻きつけるタンパク質のファミリー:H1, H2A・H2B・H3・H4
・ H2A・H2Bの2量体が2つ、H3・H4の4量体とが1対になって8量体として、ディスク状の複合体を形成。
・ H2A・H2Bの2量体と、H3・H4の4量体とは、別々にまず(おそらく自己集合)によって形成
・ DNAの2重らせんに対し、H2A・H2BはNAP-1というタンパク質、H3・H4にはCAF-1というタンパク質がそれぞれ運搬・組み込み役としてはたらく→ヌクレオソームができる。
・ H1は、できたヌクレオソームへのDNAの巻きつきを調節(H1がDNAに結合すると、よりコンパクトに巻きつく)
・ ヌクレオソームができたのちに30 nm fiberになる←H1のおかげ
・ ソレノイドモデル、ジグザグモデル、双方がこれまで議論されているが、どちらもありえるらしい
・ (質問)ジグザグモデルでは、中央部分ではなにもタンパク質の助けなくlinker DNA鎖が寄せ集められていて、それでは静電的に反発しないのか?→それについてはテキストにはコメントがない。生物物理学的に、30 nm fiberにはバネの性質があるので、ジグザグモデルが提唱されている。
・ DNAの複製の際、ヌクレオソームはいったん外され、新しい2本鎖が合成されると、古いヒストンと新しく合成されたヒストンとが合わさって、新しいヌクレオソームとなる。
・ (質問)遺伝子発現のときにヒストンはどのように外されるのか?→Fig12-22に載っている
・ ヒストンはN末端側がヌクレオソームから生えたひげのような状態になっている(2次構造をとらない)
1. N末端側のアミノ酸側鎖が修飾される(メチル化、リン酸化など)
2. RNAポリメラーゼの作用を調節?
3. DNA複製の際もヒストンの修飾のされ方が、新しく合成されたヒストンに受け継がれる(DNA以外にも遺伝されているものがある!)