勉強会ログ第1クール第9回
平成20年5月28日
講演者:三橋
講演題目:『Molecular
Biology of the Gene』第8章
場所: 工学系総合研究棟5階第1会議室
参加者:豊田含めて5名
・ 第7章:(三橋君のレジュメから抜粋)
・ DNA合成
1. DNA合成に必要な2つの基質:デキオキシヌクレオシド三リン酸、プライマー鋳型接合体
2. プライマーの3’末端の伸長によって合成(3’末端の水酸基がdNTPのα―リン酸を攻撃するSN2反応
3. DNA合成駆動力=ピロリン酸の加水分解で生じるエネルギー、高エネルギーリン酸結合の切断によってDNA合成のためのエネルギーを得る。
4. (質問)ピロフォスファターゼはDNA合成の最中にどこにいるのだろう?→DNAポリメラーゼ系には直接かかわってこない。熱力学的な反応の利益だから、どの場所にいてもいいのでは?
・ DNAポリメラーゼ
・ 4つの塩基の区別:ヌクレオチドが鋳型DNAと塩基対を形成する→プライマーの3’水酸基とdNTPのαリン酸が酵素の触媒部位にきて反応(正しくない塩基では、触媒反応に適さない位置関係)
・ (質問)だとすると、ヌクレオチドが1/4程度の確率でポリメラーゼに取り込まれて結合できるだけだから、100塩基対のDNAをつくるというのは(1/4)の100乗ということになる。つまり、すごい低確率では?→だから補修する仕組みがある。
・ デオキシリボヌクレオシド三リン酸と、リボヌクレオシド三リン酸の識別→活性ポケットに水酸基が1つ多いので立体的に適さない
・ DNAポリメラーゼの構造:指、親指、掌の3つのドメイン
1. 掌ドメイン・・DNA合成の触媒
2. 指ドメイン・・入ってきた正しいdNTPを閉じめる:反応の進行
3. 親指ドメイン・・・プライマーと活性部位の位置関係を正しく保つ
・ 間違ったDNAをなおす→校正エキソヌクレアーゼ、DNAヘリカーゼ、トポイソメラーゼ
・ 二本鎖DNAの合成
・ 複製フォークの存在、岡崎フラグメント、二本に分かれてそれぞれ合成してゆく
1. リーディング鎖→3’末端がそのまま伸びて行く
2. ラギング鎖→鋳型を少しずつDNA合成する。
・ 最初にDNA鎖に結合するプライマーが必要←RNAプライマーゼが短いプライマーRNAをつくる。
・ (質問)生物ではプライマーRNAで、PCRではDNAプライマー。生物はどうやって知らない遺伝子のプライマー配列をつくれるのか?→よくわからない。
・ RNaseHによるプライマーRNAの除去。ただし、DNA末端のリボヌクレオシドのみ除去でいないので、DNAエキソヌクレアーゼにより除去
・ 除去の部分をDNAリガーゼがホスホジエステル結合で補修