勉強会ログ第1クール第9

平成2028

 

講演者:三橋

講演題目:『Molecular Biology of the Gene』第8章

場所: 工学系総合研究棟5階第1会議室

参加者:豊田含めて5

  7章:(三橋君のレジュメから抜粋)

  DNA合成

1.  DNA合成に必要な2つの基質:デキオキシヌクレオシド三リン酸、プライマー鋳型接合体

2.  プライマーの3’末端の伸長によって合成(3’末端の水酸基がdNTPのα―リン酸を攻撃するSN2反応

3.  DNA合成駆動力=ピロリン酸の加水分解で生じるエネルギー、高エネルギーリン酸結合の切断によってDNA合成のためのエネルギーを得る。

4.  (質問)ピロフォスファターゼはDNA合成の最中にどこにいるのだろう?→DNAポリメラーゼ系には直接かかわってこない。熱力学的な反応の利益だから、どの場所にいてもいいのでは?

  DNAポリメラーゼ

  4つの塩基の区別:ヌクレオチドが鋳型DNAと塩基対を形成する→プライマーの3水酸基とdNTPのαリン酸が酵素の触媒部位にきて反応(正しくない塩基では、触媒反応に適さない位置関係)

  (質問)だとすると、ヌクレオチドが1/4程度の確率でポリメラーゼに取り込まれて結合できるだけだから、100塩基対のDNAをつくるというのは(1/4)の100乗ということになる。つまり、すごい低確率では?→だから補修する仕組みがある。

  デオキシリボヌクレオシド三リン酸と、リボヌクレオシド三リン酸の識別→活性ポケットに水酸基が1つ多いので立体的に適さない

  DNAポリメラーゼの構造:指、親指、掌の3つのドメイン

1.  掌ドメイン・・DNA合成の触媒

2.  指ドメイン・・入ってきた正しいdNTPを閉じめる:反応の進行

3.  親指ドメイン・・・プライマーと活性部位の位置関係を正しく保つ

  間違ったDNAをなおす→校正エキソヌクレアーゼ、DNAヘリカーゼ、トポイソメラーゼ

  二本鎖DNAの合成

  複製フォークの存在、岡崎フラグメント、二本に分かれてそれぞれ合成してゆく

1.  リーディング鎖→3’末端がそのまま伸びて行く

2.  ラギング鎖→鋳型を少しずつDNA合成する。

  最初にDNA鎖に結合するプライマーが必要←RNAプライマーゼが短いプライマーRNAをつくる。

  (質問)生物ではプライマーRNAで、PCRではDNAプライマー。生物はどうやって知らない遺伝子のプライマー配列をつくれるのか?→よくわからない。

  RNaseHによるプライマーRNAの除去。ただし、DNA末端のリボヌクレオシドのみ除去でいないので、DNAエキソヌクレアーゼにより除去

  除去の部分をDNAリガーゼがホスホジエステル結合で補修

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